個人履歴

私は中国(上海)出身の上条勝雄(中国名:姚学超)と申します。1982年来日、88年明治大学・商学部を卒業し、日栄証券(現SBI証券)に入社、2013年の退職まで約25年間、証券会社に勤務した。主な所属部門は、エクイティ部、商品部、調査部、投資顧問室である。この間大半の時期は市場分析に携わり、特に1996年4月~2007年11月まで、10年以上に亘り、投資レポート『テクニカル分析 月刊』を執筆した。「97年:金融パニックの大底」、「2000年:IT相場の天井」、「2001年:ユーロの大逆転」、「2002年10月:世界株式市場の大底」、「2003年4月:香港市場の上昇を確認」、「05年7月:上海B株の大底」など……、数多くマーケットの「天・底」を的確に予測して来た。現在私はお客様と同じサイトで市場の「方向」を見ており、長年に蓄積した研究成果を投資家へ貢献したいので、簡単なホームページを立ち上げた。

本人資格

  • 1). 国際連盟に認定された『国際検定テクニカルアナリスト 略称:MFTA』

    • 国際テクニカルアナリスト連盟(The International Federation of Technical Analysts, 略称IFTA )は、1986年1月に米国デラウェア州でNPO法人として発足しました。本部は9.11テロで、当時世界貿易センタービル内にあった事務所が崩壊、収集した貴重な文献をすべて失う試練に見舞われましたが、幸い人的被害は免れました。現在の事務所はメリーランド州ロックビルに移しています。加盟国は19カ国20団体:日本、オーストラリア、エジプト、フランス、ドイツ、香港、インド、インドネシア、イタリア、レバノン、マレーシア、ニュージーランド、スカンジナビア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スイス、イギリス、アメリカ(2協会)、IFTA会員総数約7,038名(うち、NTAA 2,933名)。高級資格者数:CFTe 2,808名(うち、NTAA 508名)※NTAA人数は2021年3月末現在。
    • 最高資格者数: MFTA  157名 (うち、NTAA 47名) ※NTAA人数は2021年3月末現在。

経済指標と株価の関係(株価の先行性)

株式市場の背景には、経済のサイクルが存在している。最も知られているのは「設備投資循環」、10年前後(中期)、その次は「建設循環」が約20年(長期)、コンドラチェフの「景気大循環」が約50年、エリオット波動論の「スーパーサイクル」が約100年である。株価の長期トレンドが確かに経済のサイクルを反映している。だが、大量のデータを検証すると、景気と株式市場は同時に「天・底」を付けることではなく、通常株価が景気より6ヶ月~1年程度を先行している。経済指標のみを注目すると、結果的には「底値」が買えなく、「天井」に嵌められやすい。このような典型的な実例を、下記の二点で説明したい。

A) 景気と株価の関係

日本の景気動向に、日経225の株価を加えて見ると、96年~03年まで、株価と景気の「天・底」は、以下のように読み取れる(下图ご参照)。
•1996年、株価の天井は景気の山より11ヶ月先行。
•1998年、株価の大底は景気の谷より4ヶ月先行。
•2000年、株価の天井は景気の山より6ヶ月先行。

景気と株価の関係

B)市場のPERと株価の関係

2003年日経平均の「大底」は、本決算の最中である。4月1日に日経225のPERは57倍である(日経新聞予想)。その後企業業績の下方修正により、月末は156倍まで上昇した。即ちPERの理論で考えれば、225企業の純利益で回収した場合、156年が必要である。6月7日に「景気停滞感が強まり、景気拡大期が、戦後最短となる懸念も出ている」と日経新聞は報道した。同時期に米国の失業率が5月6.1%で、8年10ヶ月ぶりの高水準である。消費者信頼感指数は6月89.7で、予想の93.4より大幅に低下した(ミシガン大学)。経済指標で見る限り、日米両市場の続騰は見えない。

しかし株価はこのような惨澹たる背景に於いて、4月28日に大底が打たれた(下图)。その後両市場の株価が07年まで、4年に亘り大きな上昇相場が拝見された。その間、日経225は127%、NYダウは74%も上昇した。

市場PERと株価の関係

本サイトの使命

ご存知のように証券業界は、株式分析として、二つの分野が存在している。

(1)「証券アナリスト」

(2)「テクニカル・アナリスト」

証券アナリストの役割は、ファンダメンタルズの面で、企業業績の調査と追跡を行っており、企業の深層に探るため、「証券アナリスト」は「虫の目」と呼ばれている。故に個別銘柄の購入については、「証券アナリスト」に打診して下さい。

しかし株式市場が暴落すると、優良株も売れてしまう。極端で言うと潮流を見誤ると、鯨でさえ北極で凍死してしょう。この雄大なサイクルが、どこから来て何時収束するかが、予測は極めて困難だが、[テクニカル分析]は、寒流の流れや、暖流の復帰は、はっきり見えるものである。医師のように心電図を見て、心筋梗塞の前兆が読み取れる。この分野には言語の支障はいない、データのみで、診断が出来る。 [テクニカル・アナリスト]は潮の流を見詰めているので「魚の目」と呼ばれている。

1929年、NYダウは380ドルから急落し、41ドルまで89%も下落した。その後、大恐慌の時代に突入した。再び380ドルを突き抜けたのは、1954年9月で、26年も掛かった。 60年後、この暴落は再び日本に訪れて来た。1989年に日経平均は38915ptから崩れ、30年間も掛かったが、今は23000ptで高値の六割近辺で徘徊している。一部の人々は、次の10年が、日本の黄金時代だと期待している。このような発想は間違ったとはいえない。但し留意しておきたいのは、2029年は1929年から、100年の周期であり、この近辺でエリオット氏に指摘された100年の[スーパーサイクル]や、コンドラチェフに言われた、約50年の「景気大循環」の第2サイクルと重なっている。

歴史は繰り返すか?再度30年前後の調整が現れるか?特に地球を席巻する暴れた波に直面した場合、慣れた時代に留まることは構わないが、無意識の内に、時代のどん底に巻き込まれたら、大変なことではなかろうか。この雄大な国際市場に、潮流を見詰めて、いち早くこの変化を捉えた方が、何よりも大事なことだと思われる。想定外の時期が迫って来たので、一層の努力を重ねて、予測の確率を高めて行くのは我らの使命である。

ファンダメンタルズで、相場を測るのは至難な業だと悟ったように、1960年「全米投資アナリスト協会連合会」の会長(A.ハミルトン・ボルトン氏)が、自ら『エリオットの波動論』を出版した。証券業界の長老として生涯の結晶は、市場波動の原理を世間に訴えた。彼の喚起により、自生自滅のチャート研究が組織化され、様々な人は多様な角度から市場分析を着手した。百年以上証券史と比べれば、遅すぎると思われるが、「宝島へ目指せる」重要な道筋だと私が確信している。

何卒宜しくお願い致します。